正しい姿勢ってなんでしょう?
私たちは立ったり座ったり歩いたり…寝ている時だって仰向け・横向き・うつ伏せなど、いろんな姿勢をとります。
以前、私の仕事はデスクワークでした。なるだけ良い姿勢をと、椅子に深く腰かけて背筋はピーンと伸ばし…しかしながら目が悪いのでPCの画面を覗きこみながら右手はマウスに手をかけつつ脚を組み換えながらいつの間にか骨盤は後ろに倒れ…いつも肩と首がガッチガチで、事あるごとによく寝違えていました。そんな私の体には何が起こっていたのでしょう?
人の体の自然な姿位とは
そもそも、体には解剖生理学的にいうところのニュートラルポジション、ゼロ度なる姿位があります。体を立位で横から見た時、耳・肩・おへそ下の丹田・大転子(骨盤横、脚の骨の付け根です)・膝・土踏まずの頂点が地面に対して垂線上に揃います。また正面からはつま先が真っ直ぐ前より斜め30度くらい開いた状態で掌が体側ではなく前を向いた状態です。
人のからだの中にある骨格。これは人類が二足歩行をできるようになる過程で、重力に対して垂直に立てる形に進化しました。なので人間の骨格は極端な話、うまーく積み上げれば理論上は骨だけでも立つことができるのです。積み木に例えるとわかりやすいですね。上手に積み上げれば重力に対してバランスが保てますが、ちょっとでもその位置がずれると…つぶれてガシャン!私たちが重力に対して、つぶれずにいられるのは筋肉が支えてくれているからです。
筋肉は動作するためだけでなく、支える役目も果たしています。
ゼロ度の姿勢の時、筋肉は本来の長さ(伸びたり縮んだりがありません)です。が、少しでもゼロ度からズレが生じると、どこかの筋肉は伸びどこかの筋肉は縮み…動きがある中でなら筋ポンプの働きで血流も促されますが、止まったままだと伸張・短縮した筋肉はそのまま固まってしまい、ハリとコリが生じます。
腰が痛い、首がつらい、肩がガチガチetc. 症状が出ている箇所はほとんどの場合、筋肉が伸びて引っ張られた状態の「ハリ」です。これをほぐすと気持ちよく感じます。でも、その時は気持ちよくてもすぐにまたつらくなります。何故ならば、引っ張っている筋肉、つまり「コリ」を緩めていないから。本当にゆるめるべきは「コリ」なのです。「コリ」が取れれば「ハリ」はおのずと緩みます。
筋肉に「コリ・ハリ」が生じるのは、同じ姿勢をとり続けた結果です。
デスクワーク時代、私はとにかく猫背でした。これも大きくゼロ度からズレた姿勢です。何時間も座ったまま同じ姿勢でPC作業。体にはコリがたくさん出来ていたと思います。いまでこそ、どこを緩めれば良いかがわかるので多少のデスクワークでも寝違える程の首や肩のつらさはありませんが、当時は仕方ないとあきらめていました。
それならゼロ度の姿勢で過ごし続ければよいのか?そんなことは無理ですよね。
ゼロ度はあくまで体のニュートラルポジション。そこから変位があっても、自然と戻るべき姿位なだけです。筋肉の縮んだ・伸びたをもとの姿に戻すことで、からだのつらさはなくなります。また、ゼロ度を意識しながら過ごすことで必要のない負担を筋肉から減らすことができます。
ゼロ度の感覚をつかむためにできる簡単な方法があります。
立つときは土踏まず、椅子に座るときはお尻の下の座骨(座面に対して骨がごりっと当たる箇所がお尻下にあります)に重心を乗せるイメージで。体を前後にゆらしながら、からだの力が抜ける場所を探ってみましょう。ふっと体が軽く感じる位置がどこかで見つかります。おそらく普段よりずっと頭と肩の位置が後ろの方です。
場所が探せない、違和感が半端ない、なんて方は体に相当コリハリが生じているハズ。ストレッチや施術で頑固なコリをゆるめてあげると、きっと体は変わりますよ^^